重要判例解説(11);最高裁判所平成22年10月22日判決

1 事案
X(原告・控訴人・被上告人)は,訴外A社の株主であり,同社の普通株式1500株を保有している。
平成18年1月当時,A社は事業再生の途上にあり,産業再生機構(以下,「機構」)とB社が,A社のC種類株式(議決権はあるが,利益配当請求権がなく,同年10月1日以降普通株式への転換が可能なもの)を所有していた。議決権割合はそれぞれ機構31,6%,B社37,6%であった。なお,残り30,8%は一般投資家などが所有していた。
Y社(被告・被控訴人・上告人)は,A社の事業再生のためにA社株式を保有することのみを目的とする会社である。
Y社は,平成18年1月31日及び同年2月21日,C種類株式全部を公開買い付けによらずに買い付けた(以下,「本件各買付け」)。この際,公開買い付けによらないで行うことにつき,機構及びB社の同意は得ていた。 
Xは,Y社が公開買い付けによらずC種類株式を買い付けたことは,平成18年法律65号による改正前の証券取引法(以下「旧証取法」)27条の2第1項6号,平成18年政令377号による改正前の証券取引法施行令(以下「旧施行令」)7条5項4号,平成18年内閣府令86号による改正前の発行者以外の者による株券等の公開買付の開示に関する内閣府令(以下,本件各買付け時の政令を「旧他社株府令」,現行の府令を単に「他社株府令」)3条の2の4第1項に違反する等と主張して,Y社やA社スポンサー等に対して民法709条等に基づき損害賠償を求めて提起した。
第1審(東京地判平成19年5月29日)は請求を棄却したが,原審(東高判平成20年7月9日)は請求を一部認容してYに9400円の支払を命じた。

2 判旨
破棄自判。
25名未満要件および同意要件が新設された平成15年旧証取法施行令・旧他社株府令改正は,「事業再編等の迅速化及び手続の簡素化を図ることなどを目的として行われたものであって,25名未満要件及び同意要件を充足する特定買付け等については,公開買付けによらずに買付けを行い得るものとすることがその目的に資する」。
「ところで,旧証取法27条の2第1項は,株券等の買付け等を行う者が特定の種類の株券等のみを買付け等の対象とし得ることを前提として,買付け等の対象としようとする種類の株券等の買付け等についての公開買付けの要否を規律したものであるから,同項5号の規定を受けて定められた25名未満要件及び同意要件も,買付け等の対象としようとする特定の種類の株券等の特定買付け等について,これを公開買付けによらずに行うための要件を定めたものと解するのが合理的である。そして,事業の再編等のためには,その再編等のために発行された特定の種類の株券等のみの特定買付け等をすることが必要な場合がある上」,上場「会社が発行する株券等の所有者が多数に及ぶことは明らかであって,このような実情や上記改正の目的をも考慮すると,上記各要件は,買付け等の対象としようとする特定の種類の株券等の特定買付け等を前提として定められたものというべきである。上記各要件にいう『株券等』を......すべての株券等を意味するものであると解すると,上記各要件が充足される余地は実際上極めて限定されたものとなり,事業再編等の迅速化及び手続の簡素化のために上記の各規定が設けられた趣旨がおよそ没却されることになる。」
同意要件については,「特定買付け等を行う者において買付けの対象としない他の種類の株券等があるとしても,その所有者の利害に重大な影響を及ぼすものではないものとして,その同意は必要とされなかったものと解するのが相当である。」
須藤雅彦裁判官の補足意見がある。

3 解説
株券等の所有者が25名未満で(25名未満要件),かつ,そのすべての者から同意を得れば(同意要件),特定買付け等を公開買い付けによらずに行うことが出来る。
本件判決は,この「株券等」は特定買付け等の対象となる株式等のみを指すのであって,特定買付け等の対象外である株券等も含んだすべての株券等のことを指すのではないと判示した。

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